はじめまして!大槻香奈自己紹介

「世界」2026年 大槻香奈作品
みなさん、はじめまして!美術作家の大槻香奈です。初めてのニュースレターでやや緊張しておりますが、どうぞよろしくお願いいたします。いきなり現れて何なんだ…と思われている方もいらっしゃるかと思いますので、本日は自己紹介をいたします。
どんな活動をしているの?
普段はアクリル絵具で少女モチーフの絵画作品を中心に制作しており、国内外の展覧会にて作品発表しています。時々イラストレーターとしてお仕事の依頼を受けることもあり、もしかしたら本の装画などで私の絵を見たことがある方もおられるかもしれません。
私は2007年に作家デビューをして、今年で活動歴19年となります。毎年どこかで個展を開き、それはギャラリーの企画だったり、あるいは自主企画だったりしますが、多い時には月一で展覧会を開いたりもしていて、都度新作を発表し、現代日本の抱える情感をベースにしながら作品展開をし続けております。
一般的な作家には珍しく、アートとデザイン(絵画とイラストレーション)の分野を行き来しながら活動展開しています。絵画の制作においても、イラストレーション的なアプローチを積極的に取り入れ、新しい画面作りを考えてきました。本ニュースレターでは、そんな独自の活動展開をしてきた自分だからこそ見えてきた色々について配信していくことになるかなと思います。
制作のテーマ・少女モチーフと「うつわ」について
まず分かりやすい絵の見た目の特徴として、先ほども触れました通り、活動当初から主に「少女」モチーフの絵画を展開してきたというのがあります。
これにはいくつか理由があって、年々少しづつ意味合いが変化してきていますが、元々は少女が 【 子供・女性・母 】の、社会的にも生物的にも異なる可能性を同時に抱える存在であるという点に着目していたことから始まっています。私自身がそういった少女時代を生きていたことから、そのカオスで複雑な、常に移ろいゆく存在を「絵画」として昇華してきました。まだ何者でもない存在に確かな輪郭を与えることで、鑑賞者の心の揺らぎを拾い、絵画が心の鏡として機能すること(心の対話が成立すること)、ひいては人間の内に秘めた可能性や、未来への道筋を予感させることを作品の目的としていました。
このように、少女モチーフを扱うといっても、記号的でも感情表現でもない地点で長年描いてきました。
それに加え、私は現代日本の抱える情感についてもとても興味がありました。日本はどこか中心がなく、良くも悪くもそれゆえの幼さや空虚さがあって掴みどころがなく、そういったフワフワした実感を絵画によって触れることのできる形にしたい気持ちがありました。
いっぽう日本は災害大国でもあって、破壊と再生を繰り返して発展してきた側面から、日本の現代性は少女時代のような、あるいは成熟の回路を探り続けているような蛹(サナギ)的な現象を抱えているように感じられたことからも、少女モチーフへの必然性を高めていきました。
絵の中で表現される空虚さは、決してネガティブな意味合いの”虚しさ”にフォーカスを当てたものではなく、未来への希望を予感させる“うつわ”として描いてきました。(それは例えば、新たな何かを生み出す卵の殻のような…)私の絵画の方向性としては、少女性を抱えたままでも成熟の回路を見つけるような、少女をひとりの人間として力強く描き、絵を鑑賞してくださった方がポジティブさに向かえるような意図で取り組んでいます。
これらについての詳しくは、2021年に自分の発案させて頂いた以下『日本現代うつわ論1』(ゆめしか出版)の巻頭言でも触れておりますので、興味のある方はお読み頂けましたら幸いです。↓↓
こちらは過去コロナ禍にて発刊したものであって、読み返すと今ならもっとこう表現できるな…とか、色々思うことはあるのですが。笑
それでも私自身の気にかけていること、絵画のテーマ性が”うつわ”という言葉で表現できるものだということは、大事なことなのでお伝えしておきたいです。
現在取り組んでいる制作テーマ
そして時は流れ… 今年に入ってからより自覚したことですが、私は少女を通して「母体」こそが描きたいのだと改めて気付きました。
これの意味するところは、実際的な役割としての母親や、その精神性を表す母性なるものとは切り離されていて(先程ご紹介した『日本現代うつわ論』シリーズでは母性の話も出てきますが。それとは違って)、私にとってはただただ「身体」という"うつわ"を描くことが、やはり大切なのだと思いました。何故なら人間にとって、精神の問題を考えるにおいても、まずはその容れ物である身体は逃れられない事実として存在しており、生きる上で最初に必要なものだと考えたからです。
色々書いてしまったので話をまとめますと… デビュー当時は少女モチーフを通して、どちらかというと「現代日本の複雑な内面性」にフォーカスを当てようとしていたのが、近年はそれを踏まえつつも、より”うつわ”への眼差しでもって「事実としての母体を描く」という意識が強くなり、身体の実感を持った表現に変化してきました。私達はどうしたって重い身体を持って生きていますが、それでも軽やかに生きていけることをずっと夢みて絵画を作っています。

「明日への予感」2026年 大槻香奈作品
そんなわけで、作家の自分としては今年に入って転機を迎えており、このタイミングでニュースレターを始めることになって、みなさんに私の新作や活動をご紹介できることをとても嬉しく思っています。また、私が絵画を考える上でこれまで触れてきた世界の名画や、歴史上の画家についても触れていきたいと思っています。絵の作家なので、画像もたくさん載せられたら良いなあと…!
日々気軽にお楽しみ頂けましたら幸いです。今後とも「夢みる絵画通信」をどうぞよろしくお願い申し上げます!
すでに登録済みの方は こちら